前回は<グループリビング>の一つ、千葉県勝浦市松野に展開される『田園生活館』を訪問。グループリビングのあり方に焦点を合わせてみましたが、今回は「お歳よりの下宿屋さん」を標榜する『グループハウスさくら』を訪問。経営者の小川志津子さんに『さくら』の姿を紹介していただきました。
■痴呆になって徘徊する実母
8年の介護体験が発想の原点
『さくら』の経営者・小川さんは北海道育ち。12人兄弟の末っ子として、生まれた時から大家族の中でもまれ育った。結婚し、3人の子供をかかえながら働き続けてきたという。 そんな小川さんが直面したのが実母の痴呆症。徘徊で幾度となくパトカーの世話になるなど、末っ子ながら、89歳で亡くなるまでの8年間、実母の介護生活に追われたという。
「多分、そうした苦しい経験がなかったら、お歳よりたちの大変さや、これからの高齢者のあるべき姿などにのめり込みはしなかったでしょうね」という。 一人ぼっちのお年寄りをなくそう、誰にも知られずに亡くなってしまうような惨めな状態は決して作ってはいけない……"元気なうちからお互いに支えあい、寝たきりは作らない、健康で100歳まで生きよう"を合言葉に、1990年12月に設立されたのが『グループハウスさくら』の1号棟である。 1990年といえばバブル最後の絶頂期。一人暮しのお年寄りが追い立てられ、古いアパートが高層のマンションに、銭湯が消え、老人には部屋も貸さないといった風潮が蔓延する時代であった。
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