今までの施設での常識を打ち破る
そんなホームを目指して!

 中川さんがここ東船橋に『ハッピーニューライフ東船橋』を立ち上げたのは今から6年前の平成8年11月。軽量鉄骨造2階建て、居室数20(全室個室)、特別介護室1室、2階部分には和室15.5畳の談話室、浴室・トイレなどは各階にあり、一階に食堂2室、2階にも食堂が設えられているという贅沢さである。
 「いままで、いくつかの施設の立ち上げのお手伝いをしてきましたが、『こんなことは絶対にしたくない』という部分を全部排除し、私たちの描く理想のもとに、出きる限り近づけるように頑張っているんです。ですから、前の施設を辞めさせられたときにも、中川さんがグループホームを開くんだったら、私たちも一緒にやらしてくださいという同志が何人かついてきてくれたんですよ」という。
 スタッフはそうしたメンバーを含めてヘルパーが15名、厨房要員が4名、昼夜2交代制でお世話に当たっている。入居者は19名だが、そのうち8名は介護度4、1名は介護度5の人たちも入居しており、居室掃除や食事作り、買い物代行などの家事を含め、入浴介助やトイレ・排泄介助、散歩の同行、通院の同行他を含めて、24時間365日のお世話である。
さらに、中川さんは施設の運営について五つのモットーを掲げる。
 その1つは「わがままを出きる限り聞いてあげたい」と言うもの。
「買い物に行きたい、自分はほかの人とは違った行動をしたいなど、ご老人はその人なりの欲求を持っています。多くの施設では、手の足りないこともあるんでしょうが、大方は団体行動が原則です。でも、私のところではなるべく個人のわがままを聞いてあげるようにしています。たとえば、朝食がどうしてもパンじゃなきゃいやだという人がいますが、そんな場合でも、一人だけパンという配慮などもしているんです」。
 二つ目は「子供扱いをしない」ということ。
 例えば、食器なども多くの施設では、落しても割れないプラスチック製のものを使っているが、お茶碗はもちろん陶器、ここではティカップもソーサー付きの陶器の使用。お酒やワインも飲みたければ飲めるように用意されている。
「普通の施設ではワインなんて考えられないでしょう。でも、きれいなワイングラスを手にすることで、お年寄りたちの心もとても豊かになるんですよ。『あら、このグラス綺麗ね』なんていう言葉を聞くと、やはり、私たちの言葉がけも普通にしなければならないって感じますね。ともかくお年寄りに対する幼児扱いは絶対しないことにしているんです」。





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