開口一番「私はいわゆるコレクターではありません」と平井さんに釘をさされた。
コレクターというのは写真機そのものを集めるのを目的とした人たちで、たとえば国産の写真機ばかり何百台と収集して、陳列棚に並べて楽しむ人たちを言うのではないか。
「私の場合は写真撮影のために必要に応じてカメラを買って使っているうちに、結果として溜まってしまったのだ」という。
溜まったカメラは、使わなくなって、人にあげたり、売ったりして手放したのを除けば、まだ五十台以上はある。それも田舎の家とか、自宅とか事務所とかの戸棚においてあるので正確に数えたわけではないそうだ。



子供の頃、母方のおじさんが写真をやっていて、そこで初めてパーレットとバルダックスというカメラを手にした。しかし、運動好きな平井さんの性に合わず写真にはあまり興味をもたなかった。
社会に出て、昭和28年頃から原稿を書く仕事をするようになると、記録をとる必要がでてきて、写真と再び出会うことになった。その時、使ったカメラは2眼レフのプリモフレックスだったが、記録をとる写真機としては無理があった。すぐにキャノン4SBに切り換えた。以来、平井さんはカメラを友として暗室まで作って楽しんできた。それがこうじてアルバイトに雑誌の表紙、新聞の写真、特殊な記念写真まで撮るようになり一時は月給よりアルバイト料の方が多い時もあったと平井さんは笑う。






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