ベッドルームもネコ、ネコ、ネコで一杯。


鳥海さんが本格的にネコ模様の布を集め出したのには、もう一つのきっかけがある。それは、鳥海さんの本来の仕事であるモダン・アーティストとしてのジョブを活かし、「フレンドリー・キルター」という新しい分野に取り組んだことにある。そしてなによりも、世界各国の布を集めるのには、彼女が「国際現代美術家協会」に所属しているというインターナショナルな活動に負っているところが大きいという。
「フレンドリー・キルター」というのは、1枚のキルトを作るときに、5人から10人の仲間たちがキルトの布を交換しながら作り上げるのね。例えば、私がネコの布の1片(ブロック)を外国の友人に送る。するとその友人が私の送ったキルトのブロックに、さらにブロックを継ぎ足して別のキルター(キルト仲間)に送る。そうして大きなキルトができあがり、それが何ヶ月もかかって私のところに戻ってくるという仕組みになっているわけ。そんなキルター仲間のネットワークが、私の場合でもアメリカやイギリス、ロシアやイラン、南アフリカやジンバブエなど、世界30ケ国ぐらいに広がっている」という。  そうしたキルターの仲間たちが、「和子はネコ好き」ということで、それぞれの国にあるネコ模様の布を送ってくれるのだという。
 もちろん、鳥海さんもそれぞれのキルターに日本のさまざまな布やキルト・ブロックを送っているというが、キルターたちが交換する布は、「100%綿・プリント模様」という決まりがあるのだそうだ。 「古代ギレや綾錦といった豪華で高価な布ではダメなのね。だから、私のところに送られてくるものも、私が送るものもみんなそれほどお金がかからない」のだという。かかるとすれば、世界中のキルト仲間と交換する送料と通信費のみ。
 ウン万円、ウン百万円もかけて、骨董品や絵画を集めている御仁が聞いたら、何と思うだろうか。





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