田舎の老人は、毎日畑仕事をしているので、大変元気だ。60、70歳になっても力仕事でもどんどんやる、ここが都会のサラリーマンと違う点で、都会の老人のような「生きがいづくり」など考えないですむ。やることを沢山持っている。
 実感のこもった関さんの体験談はさらに続く。
 田舎に住んで感じることは、裃を着た態度で接すると、相手は反応してくれない。自分は一生懸命だが、村人は参加しないと怒って村をでていった都会人がいたそうだ。関さんは10年をかけてやっと、村の人達が彼のやっている活動がゼニ儲けではなく、村のためになるような活動をしている・・・と認めてくれて手伝ってくれるようになったそうである。待っていてはダメで自分から声をかけて、ぶつかっていかないと、相手は反応しないというのは実感のこもった言葉である。

 この千石沢集落が普通の別荘地だったら、絶対にここには住まなかったそうである。ここの開発を手がけた今の村長がめざした地区の色彩の統一などに強く惹かれるものがあったそうである。
 ここは四季の移り変わりが美しく、特に秋の風景は格別で、家の周囲一面が紅葉になり、それはすばらしい眺めになる。水が涌き水でおいしく、自然が好きな人にとっては、最高に贅沢な場所だと思う。
 村でも今後は一人暮しの老人が増えてくる。しかしほとんどが自立した古老なので、そんな元気のいい人たちの「集いの場」の必要性を感じている関さんは、自宅を村の高齢者の中で、夢を持っている方々のコミュニケーションの場として開放していきたいと考えている。

 夕食時になるといっしょに食事をしたりお酒を酌み交わしたいという地元の人たちが沢山きてくれることを強く望んでいる。ひとりでこの家に住む関さんのところは遠慮なく訪問できる気安さがあるようで、多い時には春から秋にかけて4〜50人ぐらい訪れる人がるとのこと。夫婦で暮らしていたら、訪問者のほうも遠慮があるだろうが、気ままな一人暮らしを楽しむこの家はある種のパブリックなコミュニケーションの場として機能しているということだろう。

 また、ここに来た当初は、都会人のもてなしスタイルで、自分で料理を作ったりもしていたそうだが、たいへんな労力が必要で、今はもてなしの仕方を変えて田舎に溶け込んだやりかたでやっているそうで、そのことが地元の人たちとの隔たりを取り除いてくれたのではないかと語ってくれた。





Copyright (c) 2000 Eldertown Network All Right Reserved.