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「ぼくが写ってるよ!」
地元、新興住宅街の自治会館に飾ってあるのは、毎年恒例となっているフリーマー
ケットの写真だ。ふつうなら何枚もの写真を展示しておくところだが、笠原さんの手
にかかると、全景が写った1枚の大写真になる。
「会社時代はずいぶん好きなことをやらせてもらいましたからね。退職後は地域の
皆さんのお役に立てるならと思いまして。」という笠原さんは、芋煮会やカラオケの
世話までするマメな元自治会長でもある。


しかし、写真愛好家にとっては、自分の写した写真そのものが財産なのではないのだろうか。その写真に手を加えることに抵抗はないのだろうか?
「じつは持論がありましてね。アマチュアカメラマンの写真というのは、日本人が
愛好する俳句や和歌と同じで、日常の生活を切り取って詩的な色づけをしたもので、
一句ひねりました、という感じがするんです。ところが、そういう精神状態はぼくに
は合わないんだな。瞬間的にフレームを切り取るのは下手じゃないとは思いますが、
、、。ぼくは撮ってからいじる方が好きなんです。」
そう語る笠原さんが、パソコンで写真の修整を楽しむまでに至ったのは、どうして
なのか、とても興味をそそられる。笠原さんの原点はどこか、さかのぼってお話をう
かがうことにした。

小学生時代、父親の趣味の影響で、箱のようなカメラを持ち歩いて遠足などで撮っては現像もしてみたそうだが、だからといって取り立てて写真が好きだ、という意識もなかったという。
「高校のころは登山が趣味で『峠の会』という同好会に入っていましたが、何しろ
物のない時代で、買おうにもフィルムじたいがなく、写真は残念ながらほとんど残っ
ていないんです。」
コーラスに夢中だった大学時代。光学の先生がライカを持っていたので、借り出し
てほとんど専用に使っていたそうだが、やはりカメラが趣味と思っていたわけではな
いとのこと。

昭和29年カラースライド(修正前)

あざやかによみがえった修正画像 |
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